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インプラントの骨造成の費用を紹介|保険適用されるケースとは?

インプラント
インプラントの骨造成の費用を紹介|保険適用されるケースとは?

インプラントの骨造成の種類と費用

インプラントの骨造成の種類と費用をそれぞれ紹介します。


・ソケットリフト

・サイナスリフト

・GBR法

・遊離骨移植

・ソケットプリザベーション

 

ソケットリフト

ソケットリフト、または上顎洞挙上術は、上顎の骨の高さが不足している場合の骨造成治療法です。骨の厚さが5mm以上であり、特に上顎の奥部に適用されます。

サイナスリフトと同じく、骨補填材を使って骨を再生させますが、ソケットリフトは骨量の増加が少ない場合や治療範囲が歯1本分程度の時に選択されます。

7mm以上の骨の高さがあれば、この手法が適用され、6-7mmの場合は患者の年齢などを考慮して治療法が選ばれます。ソケットリフトは、インプラントを埋入する穴を作り、その穴から上顎洞の底を押し上げ、新しくできた空間に骨補填材を入れて、必要な骨の厚さを確保します。この手法の特徴として、傷口が小さくて済む点が挙げられます。

 

費用

ソケットリフトの治療は、一般的に1箇所あたり30,000~100,000円の費用がかかるとされています。この費用は、インプラント治療費とは別に支払う必要があります。サイナスリフトに比べ、ソケットリフトは手術がシンプルで費用が比較的安価です。

 

サイナスリフト

サイナスリフトは、上顎の骨が薄く、インプラントを安全に埋め込むための骨の高さが不足している場合に行われる骨造成手術の一つです。

具体的には、上顎洞の底部に骨補填材を追加して骨の高さを増やす方法です。特に骨の厚みが5mm以下や、長い期間歯がないために骨が薄くなっている場合、または多数の歯が欠損している場合に適応となります。この治療は、インプラントが上顎洞に落ちるリスクを避けるために必要です。

 

費用

保険適用外であることが多く、費用は歯科医院によって異なる場合がありますが、全国的な相場としては、150,000~300,000円程度です。サイナスリフトはソケットリフトと比べて高額になることがあるが、それに見合った骨量を再生できます。この費用にはインプラントの治療費は含まれていない点も注意が必要です。

 

GBR法

GBR法、または「Guided Bone Regeneration(骨誘導再生療法)」は、インプラント治療に必要な骨の厚みや高さが不足している場合に、歯槽骨を再生するための手術方法です。

骨の減少は、歯周病や抜歯後などの原因で生じることがあり、その結果、インプラントの埋入が難しくなることがあります。骨の欠損部分では、骨形成を行う「骨芽細胞」よりも、「線維芽細胞」が増殖しやすいため、GBR法では特定の部分を「メンブレン」という人工膜で覆い、その中に自家骨や人工骨補填材を入れて骨の増殖を促します。この方法により、必要な骨の量が回復し、インプラント治療が可能となります。

 

費用

GBR法の費用の相場は、1歯あたり3万~15万円程度となっており、再生する組織の量や患部の状態により変動します。また、使用する材料の料金やサイズによって、費用が異なる場合があります。

 

遊離骨移植

遊離歯肉移植術(FGG:Free Gingival Graft)は、歯茎が不足している部分に補うための外科手術です。この手術では、患者の上あごの口蓋から「上皮」を採取し、不足している部分に移植します。

この移植は、歯やインプラントの周りの角化歯肉を増やす目的で行われ、口の中を健康に保つためやセルフケアを容易にするために実施されます。

費用

遊離歯肉移植術(FGG)の費用は、1歯あたり55,000円~110,000円の範囲です。

 

ソケットプリザベーション

ソケットプリザベーションは、歯を抜いた際の「穴」(抜歯窩)に人工骨や骨補填材を入れて骨の吸収を防ぎ、将来的なインプラント埋入を容易にする治療法です。

この方法は、骨が薄くなるのを予防的に防ぐことを目的としており、リッジプリザベーションやサイトプリザベーションとも呼ばれます。

費用

ソケットプリザベーション(またはリッジプリザベーションとも呼ばれる)の費用は50,000円〜100,000円の範囲です。

 

インプラントの骨造成の費用が高い理由

インプラントと骨造成治療の費用が高い背景にはいくつかの要因があります。まず、骨造成治療とインプラント治療のほとんどは保険の適用外で、全ての治療費用が自己負担となります。

また、骨造成治療には高価な骨補填剤や人工骨が用いられるため、材料費も高くなっています。そして、インプラント治療自体は高度な技術と専門知識を必要とし、そのための訓練を受けた歯科医師は限られています。

この高度な技術力を持つ医師への人件費や使用される高品質なインプラントの材料費、そして先進的な設備の導入に伴う設備費も治療費を押し上げる要因となります。

さらに、インプラント治療は外科手術を伴うため、手術後のケアや繁雑な手続きが必要で、これに伴う治療期間の長さも費用を高くしています。最後に、治療に関わるさまざまな歯科材料のコストや歯科医院の運営コストも、費用を高くする要素として挙げられます。

 

インプラントの骨造成は保険適用される?

基本的にインプラントの骨造成は保険適用外になりますが、条件によっては保険適用となるケースもあります。


保険が適用されるケースについて紹介していきます。

先天的な理由

インプラント治療が先天的な理由で保険適用されるケースを以下にまとめます。


・生まれつき顎の骨の1/3以上が連続して欠損している場合

・顎の骨が先天的に形成不全の場合

・永久歯が生えてこない先天性欠如歯が6本以上の場合

・先天性欠損歯が連続して4本以上ある場合


2020年4月から、先天性欠損歯のケースでも保険診療が可能となりました。しかし、これらの基準は厳しく、適用されるケースは限られています。インプラント治療の保険適用は先天的なものと後天的なものの2種類があり、詳細な判断基準が設定されているため、注意が必要です。

 

後天的な理由

後天的な理由でインプラント治療が保険適用されるケースを以下に簡潔にまとめます。


・腫瘍や顎骨骨髄炎などの病気で、顎の骨が1/3以上連続して欠損した場合

・事故や外傷で、顎の骨が1/3以上連続して欠損した場合

・骨移植を行い、顎の骨が再建された場合


これらのケースで保険適用を受けるためには、医療機関の診断書が必要です。また、具体的な欠損範囲によっては保険適用外となる可能性もあるので、詳しい情報は歯科医院に相談することが推奨されます。現状、保険適用のケースは限られており、全範囲での保険適用の見通しは立っていません。

関連記事:インプラントは保険が適用される?適用条件を解説!

 

保険適用でインプラントができる医療機関の条件

保険適用でインプラント治療を受けることができる医療機関の条件を以下に簡潔にまとめます。


・病院が歯科または口腔外科であり、入院用ベッドが20床以上備わっていること。

・病院が当直体制を完備していること。

・常勤で、歯科もしくは口腔外科にて5年以上の治療経験がある医師、またはインプラント治療経験が3年以上の医師が2名以上配置されていること。

・医療機器や医薬品の管理体制が整備されていること。


これらの条件を満たす医療機関でのみ、保険適用によるインプラント治療が可能です。適切な施設を探す際は、各厚生局の公式サイトを参照するか、お近くの歯科医院に相談すると良いでしょう。

まとめ

インプラントの骨造成には様々な費用がかかりますが、その中でも保険適用されるケースが存在します。骨造成が必要となる症状は、病気や事故などの後天的な理由から、顎の骨が1/3以上連続して欠損した場合や、骨移植によって顎の骨が再建される場合などが主です。

しかし、すべての医療機関でインプラント治療が保険適用されるわけではありません。適切な医療機関を選ぶための条件、例えば入院用ベッド数や当直体制、常勤医師の配置などの基準も詳しく紹介されています。インプラント治療を検討する際に、これらの情報は非常に重要です。

監修者 山田 嘉宏(やまだ よしひろ)

 

インプラントの骨造成の費用を紹介|保険適用されるケースとは?

医療法人社団隆嘉会 ソレイユデンタルクリニック 理事長

1990年 昭和大学歯学部 卒業
1990~1992年 東京医科歯科大学補綴科 勤務
1992~1993年 茨城県友部歯科診療所 勤務
1993~1999年 品川区共立歯科 分院長 勤務
1999~2003年 よしひろ歯科クリニック 開院
2003年 医療法人社団隆嘉会 よしひろ歯科クリニック 開院
2014年 医療法人社団隆嘉会ソレイユデンタルクリニック 開院

資格

・厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
・日本口腔インプラント学会専門医
・IDIA(国際歯科インプラント協会/旧 ADIA(アメリカ歯科インプラント協会))専門医/指導医
・DGZI(ドイツ口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ISOI(国際口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ICOI(国際口腔インプラント学会)認定医
・日本臨床歯周病学会歯周病認定医

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