前歯のインプラントは10年後も大丈夫？長持ちさせる5つのコツ
「前歯のインプラントは10年後も大丈夫？」
「この前歯のインプラント、あと何年もつ？」
高額な投資をしたからこそ、長く使い続けたいですよね。
前歯のインプラントは、適切なケアとメンテナンスを行えば、10年、15年、さらには20年以上も長持ちできる可能性があります。
この記事では、インプラントと長く付き合っていくために、次の内容をわかりやすく解説します。
・インプラントの寿命は10年
・10年後に前歯のインプラントに起こりうるリスク
・前歯のインプラントを10年以上使うコツ
これから前歯のインプラントを検討されている方も、すでに治療を受けられた方も、この記事を読むことで、「次の10年」をより安心して過ごすための正しい知識が身につきます。
あなたの素敵な笑顔と自信を、これからも長く支えるためのポイントをご紹介します。
歯のお悩みはよしひろ歯科クリニックへ
お問合せ：ご予約・お問い合わせフォーム
電話番号：03-5498-4618
インプラントの寿命は10年
インプラントの平均的な寿命は約10年といわれています。
これは一般的な使用状況やメンテナンス状態を考慮した目安です。
ただし、この期間はあくまで平均値で、実際の寿命は個人差が大きいものです。
人によって口腔内の環境や生活習慣が異なるため、寿命にも違いが出てきます。
適切なケアと定期検診をしっかり続けることで、10年を超えて長く使い続けることも十分可能です。
10年以上長持ちさせることも可能
適切なケアと定期的なメンテナンスによって、インプラントは10年以上使用できます。
20年以上問題なく機能しているインプラントも珍しくありません。
インプラントの寿命を左右する要因は次のとおりです。
・歯科医師の技術と使用材料の品質
・患者自身の口腔ケアの質
・喫煙や歯ぎしりなどの生活習慣
・定期的なメンテナンスの頻度
定期的な歯科医院でのメンテナンスは年に2回程度が推奨されており、歯科医師によるクリーニングや早期の異常発見が可能になります。
日常のケアでは行き届かない部分も、歯科医師によるメンテナンス管理によって、インプラントの寿命を大幅に延長できるでしょう。
20年以上経過したインプラント患者のアンケート調査
長期間インプラントを使用している患者を対象としたアンケート調査によると、20年以上経過したインプラントでも約80%が問題なく機能していることが分かっています。
この調査では、以下の結果が報告されています。
・20年以上経過したインプラントの生存率：約80%
・定期的なメンテナンスを受けている患者の成功率：90%以上
・喫煙者のインプラント失敗率：非喫煙者の約2倍
2018年に九州インプラント研究会が実施した調査では、509名の回答者のうち78%が20年後も「特に問題ない」と回答しています。
10年経過時点と比較すると寿命を迎えるケースは増えますが、それでも約8割の方が問題なく使用できているという事実は、インプラントの長期的な信頼性を裏付けています。
つまり、日々のメンテナンスと健康に配慮した生活の継続によって、インプラントは20年以上も問題なく機能し続けられるのです。
参照：日本口腔インプラント学会「20 年以上経過したインプラント患者のアンケート調査」
10年後に前歯のインプラントに起こりうるリスク
インプラント治療から10年が経過すると、起こりうるリスクは以下の3つが挙げられます。
・インプラント歯周炎
・インプラントの固定不良
・噛み合わせの悪化
それぞれ詳しく解説していきます。
インプラント歯周炎
インプラント周囲の組織が炎症を起こす可能性があります。
主に細菌感染が原因で、適切な口腔衛生が保たれていない場合に発生しやすいです。
インプラント歯周炎の主な症状は以下のとおりです。
・赤み
・腫れ
・出血
・排膿
・口臭
・インプラント周囲の骨の吸収
インプラント歯周炎を放置すると、最終的にはインプラント自体が脱落する可能性もあります。
インプラントの固定不良
インプラントが骨にしっかりと固定されない場合があります。
主に骨の質や量不足が原因です。
特に、骨が薄い部分へのインプラント埋入時には細心の注意が求められます。
固定不良の主な原因は次のとおりです。
・過度な咬合圧によるストレス
・年齢などによる骨量減少
・口腔衛生状態悪化によるインプラント周囲感染
特に前歯は食べ物を噛み切る動作で横方向への力が集中しやすく、固定不良リスクが増大します。
噛み合わせの悪化
インプラント治療後、時間が経つにつれて噛み合わせが変化し、不具合が生じることがあります。
これは、天然の歯と異なり、インプラントには歯根膜がなく、微細な調整機能がないため、噛み合わせのズレがダイレクトに影響するためです。
噛み合わせが悪化する主な原因の一つとして、隣接する天然歯の変化が挙げられます。加齢や虫歯などにより、隣の歯が動くと噛み合わせが変わることがあります。
また、インプラントの上部構造（被せ物）は長年の使用によって摩耗し、噛み合わせのバランスに影響を及ぼすこともあります。
さらに、顎関節の変化が原因で噛み合わせがズレることもあり、これは加齢やストレスの影響で顎関節に負担がかかることによって生じます。
前歯のインプラントを10年以上使うコツ
前歯のインプラントを長期間問題なく使い続けるためには、以下の6つです。
・信頼できる歯科医師を選ぶ
・定期的なメンテナンス
・日常的な口腔ケア
・生活習慣の見直し
・禁煙
・食いしばり、歯ぎしりの改善
それぞれ詳しく解説していきます。
信頼できる歯科医師を選ぶ
経験豊富なインプラント専門医のもとで治療を受けると、長期的な成功率が高まります。
なぜなら、インプラント治療は担当医の腕前で大きく変わるからです。
特に前歯は人から見られる部分なので、見た目の美しさにも配慮できる専門性の高い歯科医師を選びましょう。
定期的なメンテナンス
3〜6ヶ月ごとの定期検診で早期発見すると、インプラントが長持ちします。
インプラント周囲炎の予防には早めの対応が必須だからです。
インプラントには神経がないので痛みを感じにくく、気づかないうちに炎症が進んでしまう可能性があります。
小さな変化も専門家の目なら見つけやすいので、面倒でも定期検診は欠かさないようにしましょう。
日常的な口腔ケア
インプラント用の歯間ブラシやタフトブラシなどを使って、インプラント周囲を清潔に保つと長く使えます。
インプラント自体は虫歯にならないものの、周りの組織は炎症を起こしやすいからです。
毎日の丁寧な歯磨きとフロスを怠ると、知らないうちにトラブルの元になります。
特にインプラントと歯ぐきの境目は汚れがたまりやすいので、念入りに磨きましょう。
生活習慣の見直し
お酒の飲みすぎや偏った食事を改めると、インプラントを長く使えます。
バランスの悪い生活習慣はインプラントの土台となる骨や組織に影響するからです。
過度のアルコール摂取は骨密度の低下を招きやすく、偏食は組織の回復力を弱めてしまいます。
また、極端な食習慣は全身の健康状態を損ない、結果的にインプラント周囲の組織にも悪影響を与えます。普段の生活を見直してみましょう。
禁煙
タバコを控えるとインプラントの寿命が延びます。
喫煙はインプラントの長期成功率を下げる最大の要因の一つだからです。
ニコチンが血流を悪くして酸素や栄養の供給を阻害し、一酸化炭素が細胞の働きを低下させます。
タバコの有害物質はインプラントと骨の結合を弱め、周囲組織の炎症リスクを高めるので、せっかく入れたインプラントを守るためにも、禁煙を心がけましょう。
食いしばり、歯ぎしりの改善
食いしばりや歯ぎしりを軽減すると、インプラントの寿命が延びます。
無意識の食いしばりや歯ぎしりは、歯に体重の2〜5倍もの負荷をかけるからです。
インプラントは天然歯よりも衝撃に弱いため、過度な力が加わると部品の破損や周囲の組織にダメージを与える可能性があります。
ナイトガードの使用、ストレス管理、筋肉のリラクゼーション訓練、歯並びの調整、姿勢改善、舌の位置を意識するなどの対策が効果的です。
まとめ
前歯のインプラントの寿命は、患者さんのケア方法や生活習慣によって異なります。
そのため、インプラントを長持ちさせるためには、自己判断せず、定期的に歯科医師に診てもらいましょう。
信頼できる歯科医師による質の高い治療を受ける、定期的なメンテナンスを欠かさない、日常的な口腔ケアを徹底する、禁煙や生活習慣の改善に努める、食いしばりや歯ぎしりに対処するなどが重要です。
日々のケアを実践することによって、前歯のインプラントが10年以上美しく機能する可能性は高くなります。
今後、前歯のインプラント治療を検討している方は、本記事でインプラントについて正しい知識を取り入れ、適切なケア方法を実践できるようになってください。
監修者 山田 嘉宏(やまだ よしひろ)
医療法人社団隆嘉会 ソレイユデンタルクリニック 理事長
1990年 昭和大学歯学部 卒業
1990～1992年 東京医科歯科大学補綴科 勤務
1992～1993年 茨城県友部歯科診療所 勤務
1993～1999年 品川区共立歯科 分院長 勤務
1999～2003年 よしひろ歯科クリニック 開院
2003年 医療法人社団隆嘉会 よしひろ歯科クリニック 開院
2014年 医療法人社団隆嘉会ソレイユデンタルクリニック 開院
資格
・厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
・日本口腔インプラント学会専門医
・IDIA（国際歯科インプラント協会／旧 ADIA（アメリカ歯科インプラント協会））専門医／指導医
・DGZI（ドイツ口腔インプラント学会）専門医／指導医
・ISOI（国際口腔インプラント学会）専門医／指導医
・ICOI（国際口腔インプラント学会）認定医
・日本臨床歯周病学会歯周病認定医
歯のお悩みはよしひろ歯科クリニックへ
お問合せ：ご予約・お問い合わせフォーム
電話番号：03-5498-4618