ザイゴマインプラント治療を検討中の方へ|実際の費用を紹介
ザイゴマインプラントは、上顎の骨が少ない方や多数の歯を欠損している方におすすめの治療法として注目されています。
しかし、この先進的な治療法の費用はどれくらいなのでしょうか?
通常のインプラントとはどのような違いがあるのか、そしてその価格に見合った価値はあるのか。
本記事では、ザイゴマインプラントの詳細な費用やその背景にある技術や専門性について解説します。
あなたの大切な歯の健康のための選択を、より明確にする手助けとなる情報をお届けします。
ザイゴマインプラントとは
ザイゴマインプラントは、特別なインプラント治療法で、頬骨(ザイゴマ)にインプラントを埋め込む方法です。
通常のインプラントは歯槽骨や顎骨に埋め込むのですが、上顎の骨が大幅に萎縮している場合、通常のAll-on-4インプラントが適用できない患者さんでも、このザイゴマインプラントを使用することで、頬骨を利用してインプラントを固定し、その日のうちに固定式の人工歯を装着することができます。
頬骨は、あごの骨とは異なり、吸収されることがなく非常に硬いため、インプラントをしっかりと固定するのに適しています。この技術は、1998年にブローネマルクによって考案され、その後、Dr.モイやDr.マロの研究により、さらに進化してきました。
歯科医師としては、ザイゴマインプラントは、骨の量が不足している患者さんでも安全かつ確実にインプラント治療を受けることができる革命的な方法と言えます。
ザイゴマインプラントの費用
ザイゴマインプラントは、顎の骨が十分でない患者さん向けの特別な治療法です。そのため、通常のインプラント治療費に加えて、ザイゴマインプラントの専用料金が追加される形となります。
この方法を選択するのは、顎の骨の状態が通常のインプラント治療を受けるのに適していないと判断された場合です。
4本インプラント (All-on-4) の場合の費用
- 通常のインプラント費用: 260万円(税込286万円)
- ザイゴマ加算: +40万円(税込44万円)
- 合計: 300万円(税込330万円)
5本インプラント (All-on-5) の場合の費用
- 通常のインプラント費用: 280万円(税込308万円)
- 合計(ザイゴマ加算後): 320万円(税込352万円)
6本インプラント (All-on-6) の場合の費用
- 通常のインプラント費用: 300万円(税込330万円)
- 合計(ザイゴマ加算後): 340万円(税込374万円)
ザイゴマインプラントの基本料金44万円は、チタンフレームを使用した場合のものです。もし、より高品質のジルコニアフレームを希望される場合は、追加で88万円(税込)の費用がかかります。患者さんの希望や予算に応じて、最適な選択をご提案いたします。
ザイゴマインプラントとオールオン4との違い
ザイゴマインプラントとオールオン4は、どちらも歯の喪失に対するインプラント治療の方法ですが、それぞれ異なる特性と適用範囲を持っています。
ザイゴマインプラント
ザイゴマインプラントは、特に上顎の骨が少ない方や多数の歯を欠損している方に適した治療法で、頬骨にインプラント体を埋め込む特徴があります。
この治療法の大きな利点は、顎骨や歯槽骨の量や質に関係なく手術が可能であることです。また、手術は1日で終わり、その日のうちに上部構造を取り付けることが多いため、治療期間は短いと言えます。
オールオン4
一方、オールオン4は、4本のインプラントだけで全顎の人工歯を支える治療法です。
この方法では、前方2本のインプラントは垂直に、後方2本のインプラントは傾斜して埋入され、手術当日には4本のインプラントと12本分の仮歯が装着され、食事が可能となります。
しかし、骨が十分でない場合は、骨を増やす手術が必要となり、治療期間が延びることがあります。
要するに、ザイゴマインプラントは頬骨を活用し、骨の量や質に左右されずに治療が可能な方法です。
一方、オールオン4は少ない本数のインプラントで多くの人工歯を支える治療法で、骨の量が十分でない場合は治療期間が延びる可能性があります。患者の状態や希望に応じて、これらの治療法の中から最適なものを選択することが、歯科医師としての私たちの役割です。
ザイゴマインプラント治療の流れ
1、カウンセリングと初診
カウンセリングと初診時には、患者様の悩みや希望をしっかりとお伺いし、治療についての疑問や不安を解消いたします。口の中の状態を確認した上で、レントゲンやCT撮影を行い、現在の状況をしっかりと把握いたします。
2、詳細な検査
詳細な検査では、CTやレントゲンを使用して口の中の詳しい構造を確認いたします。その後、仮歯を作成するための型取りを進めます。
3、治療計画の策定
検査結果をもとに、最適な治療計画を策定し、患者様に詳しく説明いたします。
4、手術前の準備
手術前の準備として、必要に応じて虫歯や歯周病の治療を行います。
5、ザイゴマインプラント手術
ザイゴマインプラント手術では、まず麻酔を施して患者様がリラックスした状態を作り出します。その後、必要な場合は抜歯を行い、骨にインプラントを埋め込みます。手術が終わったら、その日のうちに仮歯を装着します。
6、仮歯の調整
仮歯の形状や咬み合わせは、患者様の口腔内に合わせて適切に調整されます。
7、最終的な人工歯の装着
仮歯のデータをもとに、最終的な人工歯を作製して装着いたします。
8、定期的なメンテナンス
インプラントの健康を維持するために、定期的なメンテナンスを実施し、クリーニングやインプラント周囲炎の予防を行います。
ザイゴマインプラント治療は、患者様の口腔内の状態や希望に合わせて、最適な治療を提供することを目指しています。治療の各ステップで、患者様の安全と快適さを最優先に考慮し、高度な技術と経験を持つ歯科医師が治療を行います。
ザイゴマインプラントのリスク・注意点
ザイゴマインプラントは、頬骨を利用してインプラントを固定する特殊な治療法で、特に顎の骨が不足している方や、重度の歯周病や虫歯で歯を失った方、さらには口腔がんで顎の骨を大きく切除された方など、通常のインプラント治療が困難な方に推奨される方法です。
しかし、この治療法にはいくつかのリスクや注意点が存在します。
まず、ザイゴマインプラント治療を行う際には、上顎洞の粘膜を傷つける可能性があり、それが原因で上顎洞炎という症状が発症することが考えられます。
また、目の横にインプラントの先端が位置することがあり、この部分に触れることで顔面に瘻孔という管のような穴が開くこともあるとされています。
さらに、ザイゴマインプラントは非常に高度な技術と知識が求められるため、この治療を提供している歯科医院は限られています。
その結果、治療を希望する方でも近場に適切な歯科医院が存在しない場合があるという問題もあります。手術の難易度が高いため、手術時間が長くなることも特徴の一つです。
そして、これらの理由から、ザイゴマインプラントの治療費は通常のインプラント治療よりも高額となることが多いです。
以上の点を踏まえ、ザイゴマインプラント治療を検討する際には、十分な情報収集と専門家との相談を行うことが非常に重要です。患者様の健康と安全を第一に考え、最適な治療方法を選択することが求められます。
まとめ
ザイゴマインプラントは、特に上顎の骨が少ない方や多数の歯を欠損している方に適した治療法として注目されています。
この治療法は頬骨にインプラントを埋め込む特殊な手法を採用しており、その高度な技術や専門性が求められるため、治療費は通常のインプラントよりも高額となることが一般的です。
治療費の相場は200万~300万円と言われています。
また、ザイゴマインプラントとオールオン4という別の治療法との違いも明確にされており、それぞれの特性や適用範囲に応じて最適な治療方法を選択することが重要です。ザイゴマインプラントの導入を検討する際は、十分な情報収集と専門家との相談が必要となります。
監修者 山田 嘉宏(やまだ よしひろ)
医療法人社団隆嘉会 ソレイユデンタルクリニック 理事長
1990年 昭和大学歯学部 卒業
1990~1992年 東京医科歯科大学補綴科 勤務
1992~1993年 茨城県友部歯科診療所 勤務
1993~1999年 品川区共立歯科 分院長 勤務
1999~2003年 よしひろ歯科クリニック 開院
2003年 医療法人社団隆嘉会 よしひろ歯科クリニック 開院
2014年 医療法人社団隆嘉会ソレイユデンタルクリニック 開院
資格
・厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
・日本口腔インプラント学会専門医
・IDIA(国際歯科インプラント協会/旧 ADIA(アメリカ歯科インプラント協会))専門医/指導医
・DGZI(ドイツ口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ISOI(国際口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ICOI(国際口腔インプラント学会)認定医
・日本臨床歯周病学会歯周病認定医
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