インプラントのセカンドオピニオンは実施するべき?費用や注意点まとめ
セカンドオピニオンとは
※現在、当院ではセカンドオピニオンの相談が多く寄せられており、受け入れ体制の問題からセカンドオピニオンは受け入れておりません。
セカンドオピニオンとは、医療の分野において、患者が現在受けている治療や診断について、別の医療専門家の「第二の意見」を求めることです。
セカンドオピニオンは、あくまで意見を求めるものであり「転院」とはまた別のものです。
現在検討している、または治療しているものについて、別の専門家にも意見を求めるもので、医療サービスを受ける患者様であれば当然持つべき権利です。
歯科医師はそれぞれ専門性がある
歯科医師には、それぞれの得意・不得意があることが実は一般的です。
「インプラントには詳しいが、矯正治療には詳しくない」
「虫歯の治療は得意だが、親知らずの抜歯は他の歯科医院に任せる」
このようなことが世間一般で当たり前のように行われています。
歯医者さんは、どんな治療にも精通しどんな症状も治してくれる神様ではありません。
そのため、得意分野ではないが患者様のために頑張って治療する、といったことも当然ながらありえる訳です。
比較的安価な虫歯の治療などでは、セカンドオピニオンの必要性は薄れるかもしれません。
しかし、一本数十万円するようなインプラント治療は、その値段だけではなく長期間患者様のQOL(クオリティオブライフ=人生の質)にも影響します。
また例えばインプラント一つとっても、インプラントに詳しい歯科医師同士で見解が異なることもありえます。
高額で影響も大きいインプラント治療だからこそ、多角的な視野をもって治療に臨まれるとよいでしょう。
セカンドオピニオンへのよくある疑問
セカンドオピニオンに関連したよくある疑問について、まずはまとめてみました。
セカンドオピニオンは一般的に頻度高くおこなわれるものでもなく、患者様の中でも疑問に思われるポイントが多いようです。
インプラントだけ別の歯科医院へ行ってもいいの?
治療まで実施する場合は「セカンドオピニオン」とは正確には言いませんが、インプラントだけ別の歯科医院で治療することはまったく問題ありません。
インプラントは専門性が高い治療であり、かつ歯科医師の治療計画の質や技術の質、使用するインプラントメーカーによっても見栄えや長持ちぐあいが変わります。
患者様自体が、よりよい治療を求めて歯科医院を主体的に選択すること自体が、自身のインプラント治療に対する後悔する確率を減らし、満足する確率を高めてくれるでしょう。
セカンドオピニオンの場合、主治医には伝えるべき?
もし主治医との関係性が良好なのであれば、できる限り伝えるようにしましょう。
逆に不信感がつのり関係性が悪い状態であれば、主治医にセカンドオピニオンをすることを伝えないことも一つの選択かもしれません。
というのも、主治医からレントゲンのデータであったり自身の状態について、セカンドオピニオン先に共有するデータを紹介状として共有してもらえるからです。
昨今はセカンドオピニオンという概念も一般的になっているので、臆せず相談してみましょう。
セカンドオピニオンにいったことは主治医に伝わる?
もし主治医に不信感がある場合、セカンドオピニオンについては黙って実施される場合もあると思います。
そのような場合でも主治医にセカンドオピニオンにいったことが、伝わってしまうことはありません。
カルテを含む患者様の情報は、個人情報として取り扱われ第三者に漏らすことは禁止されています。
誰がどの医院で診療を受けたのかなどは基本的に主治医に伝わることはありません。
オピニオン先の歯科医院の探し方は?
セカンドオピニオンの対象となる治療に精通していること、セカンドオピニオンに対応していること、ご自身が納得できる歯科医院であることの3つが大切です。
それぞれ詳しく解説します。
セカンドオピニオンの対象となる治療に精通していること
歯科医師には専門分野があり、得意不得意が領域によって異なります。
インプラントのセカンドオピニオンであれば、インプラントに精通している歯科医院を探しましょう。
インプラントに精通しているかどうかを判断する場合「インプラントの学会に所属しているか」「様々な症例に対応できる技術を持っているか」などがわかりやすい判断基準になるかと思います。
なぜなら、インプラントの学会には毎年の症例発表やケーススタディなどを通じてインプラント治療について常に学ぶ環境があるからです。
またインプラントは技術や知識の幅によって、実施できる治療法が変わります。
例えば、一方の歯科医院ではインプラントは出来ないといわれても、もう一方の歯科医院では安全にインプラント治療ができるということが起こりえます。
手前味噌ですが、当院の歯科医師は、複数のインプラント関連学会に所属し歯科医師に対してセミナー等を実施しています。
そのためか、多くの患者様がインプラントのセカンドオピニオンに来院されています。
ご自身が納得できる歯科医院を見つけること
何よりも治療というのは「準委任契約」というもので成り立っています。
準委任契約ということは、治療で不満があったとしても、その責任を医療従事者に問うことは基本的にはできないのです。
通常の虫歯治療などであれば、そのようなことまで考えないとは思いますが、インプラントや矯正歯科などの治療の場合、治療費は高額でかつご自身の人生にも少なからず大きな影響を与えるものです。
そのためご自身が後悔しない選択を主体的にとれるのかという観点も実は大切になってきます。
当然ですが、歯科医師も患者様の健康のために最善を尽くすことが基本です。
しかし、完璧な治療、完璧な歯科医師は存在しないという前提で多角的な視野でご自身の治療について考えていくことが大切です。
セカンドオピニオンと転院との違いは?
セカンドオピニオンは、現在の主治医の治療についての意見を求めるもので他の歯科医院での治療を行うという行為とは別になります。
転院というのは、治療先の歯科医院を別の歯科医院に変えることをさします。
セカンドオピニオンの後に、歯科医院を変えて治療を実施する場合は、セカンドオピニオン後に転院するという表現をすることになります。
セカンドオピニオンの費用は?
セカンドオピニオンは、保険のきかない自由診療です。
そのため、費用は定められておらず歯科医院によって異なります。
またインプラント治療では必ずあごの骨の状態をチェックする必要があるため、CTのデータがない場合はセカンドオピニオンで撮影する必要があり、その分の費用がかかってくることもありえるでしょう。
インプラントの費用の高額さなども考慮すれば、セカンドオピニオンの費用は限定的であり、効果的な意見が求められると考えられる場合は積極的に利用してみましょう。
セカンドオピニオンの注意点
セカンドオピニオンは、後悔しない納得のいく治療のためにも推奨できる仕組みです。
しかし、当然注意点もそこには存在します。
それらの注意点を詳しく説明します。
セカンドオピニオン先を間違わないこと
セカンドオピニオン中に根拠なく転院を強く進めてきたり、費用を強調して当院の方が安いと伝えてきたりするような医院の場合、セカンドオピニオンとしての価値はあまり得られない可能性があります。
ただし、どのような医院であるかを事前に把握することは困難です。
自由診療において費用を強調するような広告などを打っているような歯科医院の場合は、注意をしてみるのも一つの手かもしれません。
時間的な制約があるため準備をするべき
セカンドオピニオンは通常の歯科医院の営業時間中に実施されます。
基本的には30分や1時間など決められた時間の枠の中で説明を受けることになります。
そのためなるべく時間を有意義なものにするために、事前に確認したいことを整理したり、主治医からの紹介状を用意したりするなどして、効率的にセカンドオピニオンを受けられるようにしておきましょう。
主治医から治療に関するデータをもらうことができる
主治医にセカンドオピニオンを受けることを告げる場合、CT画像を含む紹介状の作成をしてくれる可能性があります。
CTの撮り直しのコストを削減できる他、セカンドオピニオン先の歯科医院が素早く患者様の状況を把握することができるようになり効率的にセカンドオピニオンを受けることができるようになります。
セカンドオピニオンのメリット
セカンドオピニオンのメリットについては、文章内にいくつか既に記載をさせていただいていますが、メリットについてまとめて記載していきます。
よりよい選択ができる可能性が高まる
セカンドオピニオンを受けることで、よりよい選択肢が見つかる可能性があります。
例えばですが、インプラントよりも患者様にとってよりよい選択肢、例えば入れ歯やブリッジなどの選択肢が見つかるかもしれません。
各治療にはそれぞれメリットデメリットがあり、患者様にとって最適な治療は患者様ごとに異なります。
「審美性」「長持ち具合」「費用」「噛み心地」などあらゆる面から、何がベストなのかを考えてみるとよいでしょう。
メーカーや治療法、費用の比較検討ができる
一口に、インプラントといっても100種類以上のメーカーが存在します。
また1回法、2回法といった治療の仕方に分かれたり、骨造成やサイナスリフトといったオプション的な手法も存在します。
また自由診療のため、治療費も歯科医院によってさまざまです。
そのため、インプラントで治療するといっても複数の選択肢が検討できるということです。
例えばインプラントメーカーでもっともシェアの高いメーカーは2024年現在「ストローマン」と呼ばれるメーカーです。
シェアの高いメーカーの場合、治療やメンテナンスも他院で万が一実施する場合でも対応できる可能性が高まります。
当然、医療行為なので安いからよいというわけではまったくありません。
複数の選択肢を検討することで、より納得感は高まっていくでしょう。
治療に対する納得感が高まる
インプラントで後悔しないことが、治療への満足につながります。
後悔しないためには、なるべく他人任せにしないようにすることです。
もちろん信頼できる歯科医師にすべてお任せをするから安心できると言ったことはあるでしょう。
しかし、本記事を読んでいる方は少なからずインプラント治療に対して一歩引いて見てみたいと考えている方だと推測できます。
そういった方は、セカンドオピニオンを実施してなるべく納得感を引き上げることをおすすめします。
セカンドオピニオンのデメリット
セカンドオピニオンにも当然デメリットがあります。
デメリットも把握した上で、セカンドオピニオンをしていきましょう。
基本的には費用が発生する
セカンドオピニオンは通常費用が発生するものです。
また保険治療の範囲外であるため、自由診療となります。
自由診療は、保険診療と違って歯科医院が自由に料金を決めることができます。
セカンドオピニオンが無料の歯科医院もありますが、その場合「転院」を望まれている可能性があることは考慮に入れてもよいでしょう。
歯科医院も経営がありますので、診療時間中に歯科医師が対応する時間はどうしても限られます。
セカンドオピニオンが無料の歯科医院か、一定の費用がかかるところにいくかはご自身で考慮の上で選択しましょう。
費用については事前に電話などで確認の上、来院することをおすすめします。
セカンドオピニオンが有効にならない場合もある
せっかく時間と費用を使ったセカンドオピニオンでも、有効であったといえない結果になる可能性もあります。
大きな原因としてありえることが「患者様自身が前医をあまりにも否定していてセカンドオピニオン先とも信頼関係が築けなかった」などのパターンが考えられます。
医療行為というのは、歯科医師と患者様の間にある信頼関係が非常に大切です。
例えば、インプラントをよい状態で埋入することができたとしても、その後のメンテナンスを軽視して怠ってしまうと、インプラントを抜いてしまうことにつながります。
治療というのは歯科医師と患者様自身のケアで完成するものであるということを認識されるとよいでしょう。
当院のセカンドオピニオンで大切にしていること
当院では、患者様ファーストのインプラントセカンドオピニオンを実施しています。
正確な診断のためにインプラント用に解析したCTデータを撮影するため、ほぼ必ずCTでの撮影を実施しています。
そのため、CTの撮影は無料で実施しなるべく負担のかからないようにしています。(その他の費用は別途、必要に応じて発生します。)
またインプラント以外の入れ歯やブリッジなどの選択肢も提示させていただき、その中で患者様も知識を習得できるようにしています。
当院の院長は国内外のインプラント学会に所属し、インプラント治療について常に学ぶ環境を作っています。
複雑な症例でも対応可能ですので、セカンドオピニオンでもインプラントの相談もお待ちしております。
まとめ
本記事では、インプラントのセカンドオピニオンの是非や留意点、メリットなどをご紹介しました。
すでに主治医と信頼関係が出来上がっているのであれば、セカンドオピニオンというのは必要はないと思います。
しかし患者様においては、歯科治療の専門家ではないため歯科医師との情報の格差がある中で主体的に治療を選択できる状態ではない場合があるとも耳にしたことがあります。
そのような環境下で、患者様が主体的に治療を主体的に選択できる助けになるセカンドオピニオンは患者様の当然の権利です。
必要に応じて是非ともご利用してみてください。
よしひろ歯科クリニックではインプラントに専門性をもって多くの患者様の治療と向き合ってきました。
もしセカンドオピニオンにご興味がある方は、お気軽にご連絡してみてください。
監修者 山田 嘉宏(やまだ よしひろ)
医療法人社団隆嘉会 ソレイユデンタルクリニック 理事長
1990年 昭和大学歯学部 卒業
1990~1992年 東京医科歯科大学補綴科 勤務
1992~1993年 茨城県友部歯科診療所 勤務
1993~1999年 品川区共立歯科 分院長 勤務
1999~2003年 よしひろ歯科クリニック 開院
2003年 医療法人社団隆嘉会 よしひろ歯科クリニック 開院
2014年 医療法人社団隆嘉会ソレイユデンタルクリニック 開院
資格
・厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
・日本口腔インプラント学会専門医
・IDIA(国際歯科インプラント協会/旧 ADIA(アメリカ歯科インプラント協会))専門医/指導医
・DGZI(ドイツ口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ISOI(国際口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ICOI(国際口腔インプラント学会)認定医
・日本臨床歯周病学会歯周病認定医
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