歯がない場合の治療法3選|メリットやデメリット、費用を比較
歯を失ってしまった場合、どの治療法を選べばいいのか、費用はいくらかかるのか、多くの方が悩まれているのではないでしょうか。
失った歯の治療には、インプラント、ブリッジ、入れ歯など、さまざまな選択肢があります。
そこで今回は、それぞれの治療法について、以下の内容を詳しく解説していきます。
・メリットとデメリット
・費用の目安
・治療にかかる期間
・歯の欠損を放置した場合のリスク
この記事を読むことで、自分に合った治療法を見つける手がかりが得られるはずです。
歯をなくして治療法を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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歯がない人におすすめの治療法
失った歯を治療する方法には、以下の3つがあります。
・インプラント治療
・ブリッジ治療
・入れ歯治療
詳しく解説していきます。
インプラント
インプラントとは、人工の歯根をあごの骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。
天然歯と同じように、しっかりと噛む力が得られ、見た目も自然な印象を取り戻せます。
メリット
インプラントのメリットは以下のとおりです。
・天然の歯と同じようにしっかり噛める
・ブリッジと違い周りの健康な歯を削らない
・入れ歯のような違和感や取り外しの手間がない
・見た目が自然で笑顔に自信が持てる
・固定式なので食事中のずれや外れの心配がない
デメリット
インプラントのデメリットは以下のとおりです。
・外科手術が必要なため、体への負担が大きい
・治療費用が1本30〜40万円と高額
・治療期間が4〜5ヶ月と長く、骨の状態が悪いと1年以上かかる
・糖尿病や骨粗しょう症がある方は治療できないことがある
・インプラント周囲の歯茎が腫れる可能性がある
・定期的なメンテナンスが欠かせない
費用
インプラント治療は1本30~40万円程度です。
保険が適用されないため、全額自己負担になります。
CT検査や、顎の骨が少ない場合の手術が必要になると、さらに費用がかかります。
治療期間
治療期間は4~5ヶ月です。
手術後、顎の骨に埋め込んだインプラントの土台が骨としっかりくっつくまでの時間が必要です。
その後、歯茎が治り、人工の歯を取り付けられる状態になるまで待ちます。
骨が少ない場合は骨を増やす手術が必要で、1年以上かかります。
ブリッジ
ブリッジは、無くなった歯の代わりに人工の歯を入れ、両隣の歯にかぶせて固定する治療法です。
両隣の歯を土台として使うため、その歯を削って形を整える必要があります。
メリット
ブリッジのメリットは以下のとおりです。
・インプラントより手術の負担がなく、安価に治療できる
・入れ歯と違い固定式なので違和感が少ない
・治療期間が約2週間と短い
・保険が適用できるため費用を抑えられる
・手術が不要なため体への負担が少ない
・自費診療なら見た目の美しい材料も選べる
デメリット
ブリッジのデメリットは以下のとおりです。
・両隣の健康な歯を土台にするため、削って形を整える必要がある
・土台となる歯に負担がかかり続ける
・むし歯になるリスクが高まる
・10〜15年程度で交換が必要
・複数の歯が続けて無い場合は治療が難しい
・奥歯が無い場合は土台となる歯が片方しかないため使えない
費用
保険診療のブリッジは3本で1~2万円程度です。
銀色の金属の歯のみが保険の対象です。
自由診療では5~15万円程度で、白い歯のような見た目の自然な材料を使います。
材料の種類によって費用は異なります。
治療期間
治療期間は約2週間です。1週目は土台となる歯の形を整えて仮の歯を装着します。
2週目に最終的な歯を入れ、噛み合わせの調整をして完了です。
歯の状態によって期間は前後する場合があります。
入れ歯
入れ歯は、失った歯の代わりに入れる取り外しができる人工の歯です。
インプラントのような手術は必要なく、1本から全ての歯まで対応できる治療法です。
メリット
入れ歯のメリットは以下のとおりです。
・インプラントやブリッジより費用を抑えられる
・手術が不要で治療のリスクが少ない
・複数の歯が無い場合でも1つの入れ歯で対応可能
・健康な歯を削る必要がない
・調整や修理が比較的簡単
・高級な入れ歯なら見た目や機能性も改善できる
デメリット
入れ歯のデメリットは以下のとおりです。
・装着時の違和感が強く、慣れるまで時間がかかる
・天然の歯の5分の1程度しか噛む力が出ない
・食べ物の味が分かりにくい
・食事中や会話中にずれることがある
・発音が難しく、話しづらい
・金具が目立つことがある
費用
保険診療の入れ歯は5,000円~2万円程度であり、入れ歯の種類や大きさによって異なります。
自由診療では15万円~80万円程度です。
金属やバネの材質、見た目の良い特殊な材料を使うと費用は高くなります。
治療期間
治療期間は1~2週間程度です。
はじめに歯型を取り、仮の入れ歯を試したあと、次に実際の入れ歯を作り口に合うよう調整します。
装着後も違和感があれば何度か調整します。状態や入れ歯の種類で期間は異なります。
歯がない状態を放置するリスク
歯がないまま放置すると、次の問題が起こる可能性があります。
・残った歯に負担がかかり、他の歯も失う
・歯が動いて歯並びが悪くなる
・噛む力が弱くなり、食事が偏る
・あごの骨が減り、顔の形が変わる
・「サ行」や「タ行」が聞き取りづらくなる
・口臭が強くなりやすい
・胃腸への負担が増える
・あごに痛みが出る
・高血圧や認知症のリスクが高まる
たとえ1本だけでも歯を失うと、こうした影響は避けられません。早めの治療が大切です。
まとめ
今回は失った歯の治療法について解説してきました。
歯の治療法は、患者さんの状態によって最適な方法が変わります。そのため、どの治療法を選ぶかは自分で判断せず、歯医者に相談しましょう。
インプラントは手術は必要ですが、本物の歯と同じように噛めて見た目も自然です。
ブリッジは短期間で治療が終わり保険も使えますが、両隣の健康な歯を削る必要があります。
入れ歯は費用が安く、多くの歯が無い場合も対応できますが、噛む力が弱く違和感が残ります。
歯を失って悩んでいる方は、この記事の内容を参考に、ご自身に合った治療法を見つけてください。
監修者 山田 嘉宏(やまだ よしひろ)
医療法人社団隆嘉会 ソレイユデンタルクリニック 理事長
1990年 昭和大学歯学部 卒業
1990~1992年 東京医科歯科大学補綴科 勤務
1992~1993年 茨城県友部歯科診療所 勤務
1993~1999年 品川区共立歯科 分院長 勤務
1999~2003年 よしひろ歯科クリニック 開院
2003年 医療法人社団隆嘉会 よしひろ歯科クリニック 開院
2014年 医療法人社団隆嘉会ソレイユデンタルクリニック 開院
資格
・厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
・日本口腔インプラント学会専門医
・IDIA(国際歯科インプラント協会/旧 ADIA(アメリカ歯科インプラント協会))専門医/指導医
・DGZI(ドイツ口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ISOI(国際口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ICOI(国際口腔インプラント学会)認定医
・日本臨床歯周病学会歯周病認定医
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