30代で歯がボロボロ|原因と改善方法を歯科医師が徹底解説
30代になって、鏡を見るたび に見た目が気になっていませんか?
歯がボロボロだと、笑顔に自信が持てなくなるだけでなく、口臭や食事の悩みなど、日常生活にも大きな影響を及ぼします。
さらに、歯の健康は全身の健康とも密接に関係しているため、放置することはおすすめできません。
しかし、歯がボロボロになってしまった原因を理解し、適切な改善方法を知ることで、あなたの歯の健康を取り戻すことができます。
この記事では、30代で歯がボロボロになる主な原因と、その改善方法について詳しく解説します。
また、お金がない場合の対処法や、歯の健康を維持するための予防法についてもお伝えします。
30代で歯がボロボロになる原因
30代で歯がボロボロになる原因は主に4つ考えられます。
・むし歯の放置
・歯周病の進行
・酸蝕症
・ブラキシズム(歯ぎしり)の影響
むし歯の放置
むし歯は、歯の表面についた細菌が食べ残しの糖分を分解することで作り出す酸によって、歯の表面が溶かされることで始まります。
むし歯が進むと、歯の内側の柔らかい部分まで達し、さらには歯の神経や血管がある部分にまで及ぶことがあります。
30代まで むし歯を放置していると、歯の表面だけでなく内側まで大きく傷んでいることがあります。
そのため、歯の構造が弱くなり、欠けたり割れたりしやすくなります。
また、むし歯が神経まで到達すると、激しい痛みを感じることがあり、歯の中に膿がたまることもあります。
一本のむし歯を放置していると、隣り合った歯にもむし歯が広がることがあります。その結果、複数の歯が同時にボロボロの状態になっていることがあるのです。
歯周病の進行
歯周病は、歯と歯ぐきの間にたまった歯垢(プラーク)や歯石によって引き起こされる病気です。
歯周病が進行すると、歯を支える骨や組織が徐々に失われ、最終的には歯が抜け落ちてしまうこともあります。
30代で歯周病が進行していると、歯ぐきが赤く腫れ上がり、歯を磨くときや食事をするときに血が出ることがあります。
また、歯ぐきが下がって歯の根元が露出し、歯が長く見えたり、グラグラして不安定になったりします。口臭が強くなることもしばしばあります。
歯周病は痛みを伴わないことが多いため、気づかないうちに進行していることがよくあります。
30代になって歯周病が進んでいると、歯を支える骨がかなり失われ、歯がボロボロの状態になっていることがあるのです。
酸蝕症
酸蝕症は、歯の表面が酸によって溶かされることで起こる症状です。
むし歯とは異なり、細菌が原因ではなく、酸性の飲食物や胃酸などが直接歯に触れることで発生します。
酸蝕症の原因としては、酸性の高い飲み物(炭酸飲料、スポーツドリンク、果物ジュースなど)の頻繁な摂取や、酸っぱい食べ物(柑橘類、酢の物など)の過剰摂取が挙げられます。
また、胃酸の逆流や、摂食障害による嘔吐などでも、歯が胃酸に曝されて酸蝕症が起こることがあります。
酸蝕症が進むと、歯の表面がツルツルになり、薄く透明になってきます。
さらに進行すると、歯の形が変化したり、欠けたりすることもあります。
歯の神経が露出すると、冷たいものや熱いものがしみて痛みを感じるようになります。
30代で酸蝕症が進行した状態では、歯の表面が大きく削られ、ボロボロになっている可能性があります。
歯が欠けたり、神経が露出したりしていると、食事が困難になるだけでなく、見た目にも大きな影響を与えます。
ブラキシズム(歯ぎしり)の影響
ブラキシズムは、睡眠中や無意識のうちに歯を強く噛みしめたり、きしらせたりする癖のことです。
多くの場合、本人は自覚がないまま、夜中に歯ぎしりをしています。
歯ぎしりをすると、歯に大きな力がかかります。この力が長期間継続すると、歯の表面が削れたり、欠けたり、ひび割れたりすることがあります。
また、歯を支える骨や歯ぐきにも負担がかかるため、歯周病が進行しやすくなります。
30代でブラキシズムの影響が出ている場合、歯の表面が平らに削れていたり、欠けていたりすることがあります。
奥歯の頬側(ほお側)が削れて、尖った形になっていることもあります。
歯がボロボロの状態になると、見た目が気になるだけでなく、食べ物が噛みにくくなったり、冷たいものがしみたりと、日常生活にも支障が出てきます。
30代で歯を失う割合は?
厚生労働省が行った歯科疾患実態調査によると、30代では約7割の人が歯を1本以上失っていることがわかっています。具体的には、35〜44歳の年齢層で、歯を失った人の割合は男性で78.4%、女性で71.4%となっています。
30代で歯がボロボロの場合に直面する問題
30代で歯がボロボロの場合に直面する問題は4つ考えられます。
・見た目の悪化と自信の喪失
・口臭と対人関係への影響
・食事の制限と栄養バランスの崩れ
・全身の健康への影響
見た目の悪化と自信の喪失
歯は、人の印象を左右する重要な要素の一つです。30代で歯がボロボロの状態になると、見た目が大きく損なわれ、自信を失う原因になります。
歯が欠けていたり、変色していたり、歯並びが乱れていたりすると、笑顔に自信が持てなくなります。人前で口を開けて笑うことを避けるようになり、コミュニケーションが消極的になってしまうことがあります。
また、歯の見た目が悪いと、相手に不潔なイメージを与えてしまうかもしれません。第一印象が悪くなり、仕事や恋愛などの人間関係にも影響を及ぼす可能性があります。
口臭と対人関係への影響
歯がボロボロになると、口臭が強くなることがよくあります。
むし歯や歯周病が原因で、細菌が増殖し、口の中が不衛生な状態になると、嫌なにおいを発するようになるのです。
口臭は、他人との距離を保とうとする原因になります。
会話をするとき、相手が顔をしかめたり、後ろに下がったりするようでは、コミュニケーションがうまくいきません。
口臭があると、相手に不快感を与えてしまい、人間関係に悪影響を及ぼすことがあるのです。
また、口臭を自覚している人は、人前で話すことに抵抗を感じるようになります。
積極的に発言ができなくなり、職場や学校などでも消極的になってしまうことがあります。
食事の制限と栄養バランスの崩れ
歯がボロボロの状態になると、食事に大きな影響が出ます。歯が欠けていたり、歯の痛みがあったりすると、固いものや噛み切りにくいものが食べられなくなります。
肉や野菜、果物などを避けるようになり、食事の内容が偏ってしまうのです。
また、歯が痛くて十分に噛めないため、食べる量が減ってしまうこともあります。
必要な栄養素が不足し、体の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
全身の健康への影響
歯の健康は、口の中だけの問題ではありません。歯がボロボロの状態が続くと、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
歯周病は、歯を支える骨や歯ぐきに炎症を引き起こす病気ですが、この炎症が血管を通して全身に広がることがあります。
その結果、心臓病や脳卒中、糖尿病などの病気のリスクが高まるのです。
また、歯が痛くて十分に噛めないと、食べ物が細かく砕けず、消化に負担がかかります。
胃腸への負担が増え、胃もたれや消化不良を引き起こすこともあります。
さらに、歯の痛みやボロボロの状態は、ストレスの原因にもなります。
歯の問題で夜眠れなかったり、食事が楽しめなかったりすると、心身ともに疲れやすくなります。
ストレスが溜まると、免疫力が低下し、さまざまな病気にかかりやすくなるのです。
30代で歯がボロボロな状態を改善する方法
30代で歯がボロボロな状態を改善する方法は主に3つです。
・インプラント
・入れ歯
・ブリッジ
インプラント
インプラントは、歯を失ってしまった場合に、人工の歯根を顎の骨に埋め込んで、その上に歯を取り付ける治療法です。
歯がボロボロで抜けてしまった場合や、むし歯や歯周病で歯を失ってしまった場合に、自分の歯のように使うことができます。
インプラントのメリット
インプラントの最大の利点は、自分の歯のような見た目と機能が得られることです。
インプラントで作られた歯は、天然の歯と見分けがつかないほど自然な感じです。
また、しっかりと噛むことができるので、食事の質を落とさずに済みます。
インプラントは、他の入れ歯と比べて、顎の骨に固定されているため、ずれたり外れたりすることがありません。
話すときや食べるときに、違和感を感じることが少ないのも大きな利点です。
インプラントのデメリット
ただし、インプラントは手術が必要であり、治療期間が長いことがあります。
顎の骨に人工の歯根を埋め込むために、手術が必要です。
また、インプラントを取り付けるまでに、骨とインプラントがしっかりとくっつくのを待つ必要があるため、数ヶ月から半年ほどかかることもあります。
また、インプラントは保険適用外の治療であるため、費用が高額になることが一般的です。1本あたり30万円から50万円ほどかかることもあります。
関連記事
・歯がボロボロでもインプラントで治せる?美しい歯並びを実現する方法
入れ歯
入れ歯は、歯を失ってしまった場合に、人工の歯を口の中に入れて、見た目と機能を回復させる方法です。
歯がボロボロで抜けてしまった場合や、むし歯や歯周病で歯を失ってしまった場合に、比較的手軽に利用できます。
入れ歯には、部分入れ歯と総入れ歯の2種類があります。
部分入れ歯は、残っている歯に取り付けて、失われた歯の部分を補うものです。
総入れ歯は、上あごと下あごの歯が全てない場合に、口全体を覆うように作られます。
入れ歯のメリット
入れ歯の利点は、比較的安価で、短期間で歯の機能を回復できることです。
インプラントと比べると、手術の必要がなく、費用も抑えられます。また、入れ歯は取り外しができるので、手入れがしやすいのも利点です。
入れ歯のデメリット
ただし、入れ歯は、自分の歯のような自然な感覚では使えません。
慣れるまでには時間がかかり、違和感を感じることもあります。
また、噛む力が弱くなるため、食べられる食品が制限されることもあります。
入れ歯は、定期的にメンテナンスが必要です。歯茎の変化に合わせて、入れ歯を調整したり、新しく作り直したりする必要があります。
また、入れ歯を装着していると、虫歯や歯周病のリスクが高くなることがあるので、口の中の清潔を保つことが大切です。
ブリッジ
ブリッジは、歯を失ってしまった場合に、両隣の歯を利用して人工の歯を取り付ける治療法です。
歯がボロボロで抜けてしまった場合や、むし歯や歯周病で歯を失ってしまった場合に、自分の歯のような見た目と機能を回復させることができます。
ブリッジは、失われた歯の両隣にある健康な歯を削って、その歯にかぶせ物を取り付けます。
そのかぶせ物の間に人工の歯を取り付けることで、失われた歯を補います。
ブリッジは、口の中に固定されているので、安定感があり、自然な感覚で使うことができます。
ブリッジのメリット
ブリッジの利点は、見た目が自然で、しっかりと噛むことができることです。
入れ歯と比べると、違和感が少なく、食べ物の制限も少ないので、快適に使うことができます。
また、インプラントと比べると、手術の必要がなく、治療期間が短いことも利点です。
ブリッジのデメリット
ただし、ブリッジを取り付けるために、両隣の健康な歯を削る必要があります。
削った歯は、将来的に問題が出てくる可能性があります。
また、ブリッジの下の歯茎は、清掃がしにくいため、むし歯や歯周病になりやすいことがあります。
関連記事:歯がボロボロの悩みを解決|最適な治療法を紹介
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30代で歯がボロボロだけどお金がない場合
30代で歯がボロボロだけどお金がない場合、歯の治療を受けるのが難しいと感じるかもしれません。
しかし、歯の健康を放置すると、さらに状態が悪化し、将来的により大きな負担になる可能性があります。
まずは、歯科医院で相談することが大切です。
歯科医師に正直に経済的な事情を伝え、どのような治療方法があるのか、費用はどれくらいかかるのかを確認しましょう。
段階的な治療計画を立ててもらうことで、無理なく治療を進められることがあります。
また、自治体によっては、低所得者向けの歯科治療の補助制度があります。住んでいる地域の役所や保健所に相談して、利用できる制度がないか確認してみましょう。
関連記事:歯がボロボロでも大丈夫!お金がない人のための簡単な解決方法
まとめ
30代で歯がボロボロになる原因は、むし歯や歯周病の放置、酸蝕症、ブラキシズムなどが考えられます。
歯の問題は、見た目や口臭、食事の悩みなど、生活の質に大きな影響を与えます。
また、歯の健康は全身の健康とも密接に関係しているため、放置することは避けましょう。
改善には、歯科医院での検診・治療が重要です。
インプラントや入れ歯、ブリッジなどの治療法があり、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
お金がない場合でも、歯科医師と相談して解決策を見つけることができます。
日頃からの予防も忘れずに。
適切な歯磨きと定期的な歯科検診で、歯の健康を維持しましょう。
生活習慣の見直しも効果的です。
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監修者 山田 嘉宏(やまだ よしひろ)
医療法人社団隆嘉会 ソレイユデンタルクリニック 理事長
1990年 昭和大学歯学部 卒業
1990~1992年 東京医科歯科大学補綴科 勤務
1992~1993年 茨城県友部歯科診療所 勤務
1993~1999年 品川区共立歯科 分院長 勤務
1999~2003年 よしひろ歯科クリニック 開院
2003年 医療法人社団隆嘉会 よしひろ歯科クリニック 開院
2014年 医療法人社団隆嘉会ソレイユデンタルクリニック 開院
資格
・厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
・日本口腔インプラント学会専門医
・IDIA(国際歯科インプラント協会/旧 ADIA(アメリカ歯科インプラント協会))専門医/指導医
・DGZI(ドイツ口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ISOI(国際口腔インプラント学会)専門医/指導医
・ICOI(国際口腔インプラント学会)認定医
・日本臨床歯周病学会歯周病認定医
歯のお悩みはよしひろ歯科クリニックへ
詳細:インプラント治療
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